華麗なるubuntuの貴公子、マテ

これまで触れてみたubuntu系の中で、いちばん「華のあるOS」をあげるとすれば、おそらくマテ(Mate)だろう。

このマテも、他のubuntu兄弟同様、本家ubuntuからフォーク(枝分かれ)したものだが、発足は比較的新しいようだ。画面のつくり(絵)は本家に劣らずかなり派手(グラフィカル)だが、そのわりにメモリ消費は少なく、xubuntuとも大差はないらしい。マテはそのDE(デスクトップ環境)もMateそのままなのだが、そのメモリ消費量や、Thunarというxfce用のファイルマネージャーをショートカットキーから起動できる機能を備えていること(本家だとハジかれる?)などを考え合わせると、ちょうど本家とxubuntuの中間に位置づけられるかもしれない。

わたしがはじめてこのマテに出会ったのは16.04版だったが、そのときの宇宙をテーマにしたデスクトップデザインは斬新で衝撃的だった。だが、なぜか「残念ながら内部エラーが…」とか「システムに異常が…」と表示が出てコケることも多かった。いま思うと使い方も下手だったのかもしれないが、同じ16.04でも安定したxubuntuに比べ、ヤケに脆いOSだなあ、という印象が残った。だが、18.04版になってからは、ぐっと安定感も増したようだ。また、グリーンを基調とした新しいデスクトップデザインも、開くたびに心が元気になるような気がする。同じグリーンでもMintのようにシリアスではなく、底抜けに明るいのである。

個人的にこのOSの一番のお気に入りは、目に優しいダーク色のデスクトップデザインだ。わたしはいつもこのマテをインストールするとすぐに、外観設定からAmbiantDarkという色に変更する。他にも細かな設定ができるのだろうが、わたしにはこれだけで十分だ。特に、ターミナル画面の、褐色の地に白文字の絶妙な組み合わせは老眼のわたしには有り難い。また、使っていくうちに、なんとなく豊かな気持ちにもさせてくれる。わたしはこのマテのおかげで「コマンド画面ってみすぼらしいな」という既成概念が一変した。

また、この画面の見やすさには、太めのフォント文字も一役買っているような気がする。最初は少しクセがあって抵抗があるかもしれないが、慣れてくると今度はxubuntuの明朝っぽいフォントがやけに細く感じるから不思議だ。ちょっとたとえがマズくなるが、xubuntuを「正統派、細麺のしょうゆラーメン」とすれば、このマテは「太麺の醤油豚骨」である。しかし、ラーメンでも言われるように「見た目コッテリだが、食べると案外アッサリ」というヤツである。とまあ、なんのこっちゃ…

最後にこのマテ、スタートキーはxfceよりも丈夫というか融通が利きそうで、スタートキーを単独でスタートメニュー起動に割り当てても、xfceにありがちな「スタート+X」を押すとスタートメニューも同時に起動してしまうといったエラー(二重起動)は起こりにくい。なので、この点、キー設定にあまり気を使わずにすみそうだ。

以上、いろんな意味で個性的、天真爛漫なマテだが、これからも引き続き注目していきたいOSである。